橋田(はっしー 写真右):代表。今回のモデレータ。
香月(かっきー 写真左):プロダクトマネージャー兼エンジニア。
小川(写真中央):デザイナー。
シリーズでお届けしています、この企画。前回の記事はこちらです。
橋田:
次のテーマは課題。これをやってみて、振り返りに近いのかなこの部分は。
分かってたこと、やる前から分かってたこと、やってみて分かったことっていうのをちょっと聞きたいんですけど、課題としてはどういうところに課題があって、それは分かってたことから先に聞こうかな。
ちょっとさっきの話の中に出てきたと思うけど。
香月:
今回、短納期ということで一気に走り抜けたんですけど、やっぱり最初にユーザーヒアリング、ユーザーテストをしておかないと手戻りがどうしても発生するっていうことは、実体験として良く分かりました。
あとはその中で、スピードを出しつつもどこまでクオリティを担保するかっていうのは、1人1人の認識っていうものを統一しないと上手いこと進められないかなっていう。結構、エンジニアリングもそうだし、デザインタスクもそうだと思うんですけど。
しっかり作ろうと思えばどこまでもしっかり作れるし。
橋田:
作りたくなっちゃうよね。めっちゃ。
香月:
特に今回は決済サービスなので、例えばAPIの繫ぎ込みのところはちゃんとテストを書いて、リーダブルなコードにしてとか。
橋田:
お金に関わる部分だから、いわゆる普段の僕らのスピード感と違う部分もあるので。
ここミスったら死ぬから絶対にちゃんとやらないといけない部分と、多少ミスっても良いから早くできないといけない部分みたいのが普段より、より明確になってないとまずいって話しだよね。
香月:
そういうものの線引きと認識合わせっていうのをしっかりやったほうが良いかなとは思いました。
橋田:
それはある程度最初からやってて良かったっていうことですか?それとも。
香月:
いや、どっちかって言うと足りなかったかなと思っています。もっとできたかなと。
橋田:
だから今回のこの経験はチームの経験として貯まるんで。
次にそういうことがあったときに活かせるかな。
香月:
そうですね。
橋田:
小川さん、どうですか?
小川:
やっぱり単純に時間が無かったんで。
橋田:
言ってもしょうがないけど、時間がなかった。
小川:
やっぱ、さっき言ったみたいに、先ずユーザーヒアリングとかテストをして、プロトタイプを作ってテストしてそれから実装するっていう理想の流れができたら、良かったなっていうのはあります。
だけど第1フェーズということで、泣く泣く必要最低限の機能しか提供できなかったっていうのはちょっと。
橋田:
例えば小川さんの中で、これを入れたかったけど今回はできなかったみたいなことってあるんですか?
小川:
今回は結果的にちょっと余裕ができたから実装されたんですけど、最初カート機能がなかったんですよ。1個買ってもう1個買いたかったら、また購入の手続きをする必要があります。。
橋田:
よく考えるとカート機能がないECってすごいよね。普通考えられないでしょう。
普通考えられないけど、これがさっきカッキーが言ってた、ペライチ独自の概念というか基本的にはペライチは1ページで作って、1個の商品を売るみたいなのが最低限の機能としてできればOKだから、カート機能は最初は無いみたいなのが許されるんです。
結果、時間ができたんでカートを実装できたんですけど。確かにそうだ。
香月:
そうですね。
橋田:
普通、ありえないよね。
小川:
そうですね。ECがカートないとか。
香月:
確かにそうかも……、そういうことですよね。
橋田:
もちろん、あったほうが良いんですよね。
いやでも、具体的にすごい良い例でした。ありがとうございました。
で、最後。リリースしました。リリースのときに気をつけたことって何ですか?
香月:
あのー、、テストです。
一同
(笑い)
橋田:
そりゃ、そうですよね。
香月:
入念にテストですね。
橋田:
そのテストコードもあるし、マニュアルでテストしっかりやるみたいな。
いわゆる導通確認みたいなとことか、APIとの繫ぎ込みの確認とかを徹底的にやるみたいな話。
香月:
あとは最後の最後にどれだけクオリティの高いものを仕上げられるかっていうところで、リリースのときは、残りの時間を使ってそこだけをやっていました。
橋田:
それはやるしかないよねっていう話ですよね。
香月:
はい。
橋田:
あとは、リリース期間が結果延びちゃった話を少ししたいなと思っていて。
外的要因の話と今回のリリースがトータルで2ヶ月ぐらい延びることになったこと。
その経緯についてちょっと話してもらえますか?
香月:
ペライチ決済で使っているAPIっていうのが、いわゆる上位接続先の決済サービスで、ある会社の提供している決済サービスを提供していまして、その先に実際に決済するカード会社との連携をしなきゃいけないっていうので、カード会社に、うちの会社のホットスタートアップの与信がどうかとか承認をおろしてクレジットカード決済ができるようにしても大丈夫な会社なのかみたいな。
承認がおりないと使わせてもらえないんです。実際、テスト環境までは使わせてもらってたんですけど、なかなか本番環境の承認がおりなくて、カード会社の審査、承認待ちっていうステータスで、ものはできてるんだけど、ずっとペンドされてるっていう状態が続いてました。
橋田:
一応補足しておくと、通常はショップごとに決済代行会社に与信を通して、承認されたらカード決済機能を使えるようになるんですが、それだとスピード感が出ない。
簡単にECを始められるサービスや、フリマアプリとかが普通になってきてる世の中で、いちいち時間のかかる承認を通すようなやり方はないなと。
そこにこだわっていたので、幾つかのカード会社に断られてしまい、リリースまでの待ち時間がかなりかかってしまったということですね。
小川:
あれは辛かったよね。
香月:
そうですね。こっちとしては何もできないんで。
小川:
なので、もう、やってたこととしては、フェーズ2の開発をスタートするっていうことをやったりしてたね。
香月:
そうですね。
橋田:
で、例えばそれで先方の交渉がなかなか苦労していて、例えば色んな要求がきたと思うんですけど、具体的にはどういう要求がきて、どういうことを応えたり応えなかったりしたんですか?
香月:
例えば、反社会的勢力が使わないためにどういう対策をしていますかとか、利用規約はちゃんと弁護士の目を通してますかとか、そういうことを聞かれました。
あとは会社としての与信というところで資本金が幾らかみたいなといったところが多分見られてて。
橋田:
そこって、基本的には僕とか他のビジネスメンバーが決済代行会社さんと会話をして、やってますとかこれから始めますとかそういう話をしてたと思うんだけど。
香月:
あと、お金の運用フロー。ユーザーが買い物をしたときに、こちらで一時的に預かるというフローになるんですけど。こちらというか、決済代行会社さんのほうですが直接ユーザーの支払ったクレジットカード金額を預かるという形なんだけど、そのお金の流れとか、どのタイミングで売上が確定するんだっけ、とかっていうところを細かく聞かれて、それはもうちょっと安全なほうに寄せたフローにしてくださいとかそういう突っ込みを入れられたりしました。
橋田:
なんか、僕もその先方との会話をずっと見ていて感じたのが、結局こういう決済サービスだったりWEBサービス、アプリで、CtoCだったりがすごく増えきて、不特定多数の人が売ったり買ったりするみたいなのって最近普通にあるじゃないですか。
フリマアプリとか。そういうサービスが増えてきたことによって、そういうサービスのトラブルとかもカード会社のほうで結構把握するような。
要は、事例がたくさん出てきたっていう感じで。そうすると、向こう側のリスクヘッジもすごくたくさん言わなきゃいけないみたいなところも分かるというか。そういう背景もあって、なかなかとりあえずOKって向こうが言えないみたいな状況があって、今回、色んなところを変えなきゃいけなくてとかっていうのがでてきたと思うんです。
橋田:
なんか、仕様を変えたポイントとかあります?言われたから仕様を変えたとか。
香月:
言われたから仕様を変えたというよりも、仕様を変えないで良いように決済代行会社さんの担当者にめっちゃ言ったっていう感じです。交渉をお願いしますって言って。
香月:
はい。
橋田:
ありがとうございます。
(続きます)