みなさん初めまして!10月からペライチにてエンジニアインターンをしております加藤です!
今回、2016年11月29日(火)に株式会社ミクシィ様のイベントスペースにて弊社、ホットスタートアップ主催の第1回CTO Talk「CTOが語る、プロダクトを急成長させるための秘訣」が開催されました!エンジニアを目指す身からすれば「CTO」は神的存在です。そんな「神ってる」CTOの方々がどのように自分たちのプロダクトを成長させてきたのか。その秘訣をレポートしていきたいと思います!
メインテーマ
- 開発スピードを上げる取り組み
- スピードアップを実現するチーム・組織の作り方
- 技術者が経営にどれだけ携われているのか
そして、今回は下記の4名の方々によるCTOトークが行われました!
モデレーター
和田修一氏
2009年に株式会社nanapi(旧株式会社ロケットスタート)の取締役CTOに就任し、nanapiを中心とした開発やマネージメントなどを担当。2014年に株式会社nanapiを売却後はエンジニアとして新規のサービス開発に携わる。現在担当している技術分野はiOSアプリ開発。また、個人では他社のアドバイザーや顧問なども務める。
パネラー
横澤佑輔氏
nomad イタンジ株式会社 取締役CTO
1983年生まれ。日本電子専門学校卒業、産業技術大学院大学人間中心設計修了。大日本印刷株式会社グループにて通販や定期購読のフルフィルメントシステムの企画構築。株式会社ゲオホールディングスグループにて各種インターネットサービスの開発を経て2014年4月よりイタンジ株式会社に入社。
岡利幸氏
yenta 株式会社アトラエ 取締役 CTO
2007年にアトラエの新卒一期生として入社後、転職サイトGreenの立ち上げの新規営業として3年間従事した後、エンジニアに転向して復数の新規事業を開発して事業責任者を務め、現在はCTO兼新規事業統括としてTalentBaseやyentaの責任者を務める。
香月雄介氏
ペライチ 株式会社ホットスタートアップ 取締役 共同創業者
中央大学卒業後、制作会社にてiOSエンジニアとして勤務。その後1年ほどフリーランスを経てベンチャー企業に取締役CTOとして加入し、バーティカルメディアの立上げを行う。2014年取締役兼共同創業者として株式会社ホットスタートアップを創業。2015年4月「ペライチ」をリリース。
以上4名の方に今回の3つのメインテーマについてお話していただきました。登壇者のみなさんの経歴が多種多様なので、様々な視点のお話が伺えたので、それぞれの質問に対しての意見をパネラーごとにまとめてみました!
開発スピードを上げるためにしていることとは?
プロダクト開発において大切になってくるのが、「開発スピードをどう上げるか」。これはプロジェクトマネージャー(PM)なら必ず悩む課題であると思います!
横澤氏「どうやって市場を捉える開発をしていくかの方が課題。」
開発スピードをボトルネックだとは考えておらず、それとは違う点がプロダクト開発する上での課題になるのではないかと考えている。その課題とは、「書いたコードが市場を捉えているかどうか」。イタンジでは、エンジニアであってもPMと営業を兼任する様な事もあり、要件定義と開発を同じ人が実施することも多い。その結果、書いたコードが市場を捉えているかどうかをエンジニア自身がダイレクトに感じることができている。そのような取り組みを通して、まずは市場を捉えるコードを書けているかを重視している。
岡氏「作る前にイメージの可視化をする。」
アトラエでは、なるべく少人数のチームでプロジェクトを回すようにしており、特に新規事業の立ち上げ時などであれば、ベストは3〜6人程度。アトラエでは新規事業を立ち上げるのもエンジニアであることが多く、エンジニアが企画などをすることが当たり前になっている。プロダクトの性質によって差はあるが、企画段階でイメージをデザインにしたり、コードで書いたりと目に見えて手に取れる形にしてプロトタイプの段階でUXやサービス価値などのブラッシュアップができるようにしている。このプロセスを経て開発に入ったプロジェクトでは、全員がUXや価値まで全てを理解した状態で開発ができるため、開発スピードも早くなるし開発中の変化も臨機応変に対応できる。
香月氏「各プロジェクトに権限を移譲。」
ペライチでは各プロジェクトに権限を移譲することでスピードを上げている。基本的に開発をする際は細かいプロジェクトに割り、それぞれのプロジェクト内で方向性などは決めてもらっている。しかし、ペライチでは業務委託の方の数が社員に比べて多い。最終的な意思決定は社員で行なっているため、そこでレビュー待ちが溜まっている状態で、そこのフローの改善は今後の課題としても上がっている。
最初の質問から解が異なっていて面白いですね!開発スピードをあげることを意識する中で、いかに質も落とさず実行していくかがカギになるようですね!
スピードアップを実現するチーム・組織の作り方
チームをまとめる人にとってここが難しいところなのではないでしょうか?チームの作り方次第で開発スピードには大きく影響が出てくるので、是非彼らが取り組んでいることを聞いてみましょう!
香月氏「ビジョンの共有が大事。」
チームを信用していないと権限を委譲するなんてことはできない。それを可能にしているのが、「ビジョンの共有」。会社が何をビジョンとして掲げ、何を大事にし、何を目指しているのかを全員に浸透させるために、毎朝会社のビジョンと価値観の読み上げをやっています。これにより、どのようなビジョンを社として掲げているかの理解ができるため、組織作りの上でビジョンの共有を重要視している。
岡氏「エンジニア未経験だからこそこだわりがない。」
アトラエでは未経験からエンジニアになっているメンバーが多く、しかもそのメンバーがリードエンジニアとして活躍をしている。このことが影響してか、エンジニアとしての役割を意識しすぎないなど、マイナスになるようなこだわりをもっていない。技術に固執しすぎず、プロダクトの成長や価値の向上だけにフォーカスして建設的な議論ができる人々を採用・育成することを大事にしている点である。また、自分がもともと営業として入社しており、そこからエンジニアになったため、営業・エンジニアのモチベーションの源泉が違うことや、それぞれが持つ価値や特性などを理解しているので、そこを考えながらチームづくりをしている。
横澤氏「ボトムアップによるビジョン作り。」
創業メンバーの退任等、会社としての根幹が揺れ動いてきた過去の経緯もあり、創業時に定められたビジョンやバリューが会社の進化や変化についてこれていない状況になっていた。その状況を変えるために、実際の行動によって文化を作ってきたメンバーによってボトムアップでビジョンとバリューを見直した。ボトムアップにより、自分たちが何をするべきかを全員が熟考、再考した上でビジョンとバリューが再定義されており、社員一人ひとりの頭に根付いている為、トップダウンでビジョンを共有する必要はあまり無い状態になっていた。それは各社員がしっかり考えるという環境になっており、それがイタンジのチームを作っているものでもある。
チーム作りにおいては、組織に規模やその会社の特徴、歴史などで大きく変わってくるのがわかりますね!
技術者が経営にどれだけ携われているのか
技術者が経営に携われるかどうかで会社の雰囲気だけでなく、方向性なども大きく変わることがあるので、実際のところみなさんはどれくらい携われているのでしょうか?
岡氏 「エンジニアがやりたいことをできる環境作り。」
経営側から技術面に関しての制度やルールは要求することは全くといっていいほどない。そのためエンジニアが率先して組織づくりや必要があればルール作りを行い、自分たちで組織を作る風土にしている。現在の経営メンバーも半数が技術者なので、エンジニアがやりたい、やるべきことができる環境づくりも当たり前のようにしている。また、技術者が新しく挑戦したいことには、明らかにおかしいという点がなければ基本的には口を挟まずに任せるようにしている。
横澤氏 「実力以上の意思決定においての課題。」
現在は常勤役員が二人なので自分に50%の裁量権があるため経営にはしっかり携わることができている。しかし、技術的な意思決定については自分に偏ってしまい、意思決定のキャップに成り得ることが課題。現状では大規模なことを決定する際には外部の人にアドバイスを頂いているが、今後は自分の実力以上の観点からの技術的意思決定を、どのように出来るかを考えなくてはいけない。
香月氏 「創業メンバー3人の役割分担。」
経営に関しては、創業者が自分を含めて3人おり、それぞれの役割分担を明確にして、お互いの判断を信頼しているため役割内の経営的判断であれば任せ合っている。そのため、経営の意思決定などの面で衝突を起こすことはほとんどない。技術的な意思決定においては、その技術領域において自分より技術力のある現場のメンバーに一任することも多い。
今回パネラーとしてお話をされた3名の方々は、技術者として経営に携われている印象を受けました!その先に課題などは当然あるものの、技術者でありながら経営面も支えているという点はすごいの一言に尽きます!そして、パネルトークの後の懇親会では様々な業界で活躍されている方々とお話しする機会もあり、普段は接する機会がない方々だったので懇親会もすごく充実した時間でした!
いかがでしたでしょうか?今回の第一回CTOトークでは業界も規模も様々な会社の方々にお越しいただきそれぞれの状況などについてお話いただきました!やはりCTOを務めている方々は自分たちのやり方を持ってそれぞれの課題に取り組んでいることがよくわかりました!
CTOトークは第二回も2016年春頃に開催予定なので、興味がある方は是非お申し込みしていただければと思います!
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